Vol.1-1
平成11年5月号
 

『人は、自分のことに一番関心がある』

 今月、人が書いた提案書をいくつか読ませて頂く機会があり、大きく分けて2つのタイプがあることに気づきました。1つは「私(自社)はこんなことができるんですよ!(生産者志向)」、もう1つは「あなた(御社)は今こういう状況で、こうありたいと考えておられるのではないでしょうか。その願いを私(自社)はこんな切り口でこんなノウハウ・技術を駆使して、かなえてあげますよ!(顧客志向)」と訴えています。皆さんは、どちらの提案書に興味が湧きますか?

 基本的に人は自分のことや自分に直接関係するもの(人・モノ)について最も関心を抱くと思います。ですから、何かを提案したり、企画するときには、その人(会社)の状況をまず理解して、そこをベースに自分の得意技をいかに活用していくかを考えていくのが良いのではないでしょうか。

 このことは、商品が高額であればあるほど言えることだと思います。例えば、それが予算を超え るような車でも、信頼している人が薦めてくれたとき、(商品は間違いなく良いモノな訳ですから) 結局買ってしまいます。また、20万円程度でパソコンを買いたいと考えてお店に行っても、店員がこちらの目的を120%理解した上で、具体的な活用提案を含めて薦めてくれた場合、その周辺機器もすべて組み合わせて買ってしまうことがあります。このとき、「予算」は実は"あってないようなもの"なのですね。

 このようなとき、何を持って高い・安いと決めるかというと、実は『自分の満足度』を基準にしているのであって、「他の車(パソコン)の方が安いから」ということにはならないようです。最終的には、人がどう言おうと購入者が満足すれば良いのであって、それを売り手側が変に「この人にはこの価格は高いのでは」などと気を回してはじめから諦めてしまうのは、どうかと思うのですが、いかがでしょうか。