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「しまった!」そのとき私は東京から名古屋に帰る新幹線の中。充実した1日を過ごし、熟睡していた。そして、深い眠りから覚めて、まばたきをした瞬間、私の目に飛び込んできたもの。それは、名古屋駅の看板であった。「ヤバイ!」と慌ててカバンを手に取り、座席から飛び起きた途端、車両の扉は無情にも「プシュ〜」と閉じられた。
新幹線のぞみが次に停まる駅は「京都」。片道約35分間をかけて、むなしく自宅から離れていく。途中下車も出来ず、無意味に過ぎる時間。しかも、35分後に京都に着いたら、再び同じ時間をかけてやっとついさっき降りるはずだった名古屋駅に向かうのである。
私は思った。「不毛だ・・・。」 ・・・とまあ、このようなむなしい経験は、誰でも覚えがあることでしょう。そのときに、どんな言葉を自分に投げかけるか、でその経験がむなしさで終わるのか、多少なりとも価値を持つのか、が違ってきます。
私はこのとき、「不毛だ・・・。」と数分、打ちひしがれた気持ちになりながら、ものごとをプラスに転換するマジッククエスチョンを投げかけました。
「僕は、この出来事にどんな意味を与えようか?」
つまり、この不毛に思える名古屋−京都間の往復運動に価値をもたせるためには、どのように考えれば良いか、と考えたのです。そして私は思いました。
「新幹線に乗り越していなかったら、きっとやらなかったであろうことをやろう」と。
それをリストアップしてみました。「今抱えている仕事の棚卸」「英語のヒアリング」「先送りしていた原稿のラフ書き」など。すると出てきたものは、
「緊急性は低いが、いつか必ずやらなければならず、一人で集中してやりたいこと」でした。そのとき気づいたことは、「不毛なことが起きたら帳尻を合わせよう」と考えるとストレスが減る、ということ。これは、一見「ツイてない」ことを「ツイてる」ことに切り替えるコツでもあるなあと感じました。
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