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以前、あるきっかけでゴルフのグリーンに出る機会がありました。しかし、私はもともと球技が苦手な上にほとんど練習をしていません。前日に少し教えてもらった程度。そのため、そのゲームは周りに迷惑をかけながら肩身の狭い思いをしたものです。
その大変な思いをしている一方で、ふと思いました。「このゴルフという遊びは、いつから出来たのだろうか?」「どうやって発展してきたのだろうか?」「行って帰ってきて、3〜5万円は掛かるというが、なぜ皆そんなにお金を払うのか?」
そして、気が付きました。これは、決してゴルフそのものに5万円を支払っているわけではない、と。つまり、純粋にゴルフを行なうことに加え、「自然の見晴らしと空気を楽しむ」「カートで移動できる」「ゴルフ後にスパで汗を流す」「食事をしながら一杯飲む」などを全てひっくるめてゴルフだということです。それらが全てパッケージされて「ゴルフ=5万円」なわけです。
もし食事が出なかったどうでしょう?自然のかけらもないコンクリート・ジャングルの中だったら?汗だくの状態でシャワーを浴びることができなかったら?どれが欠けていても、価格は大きく下がってしまうことでしょう。
そう考えると、「ゴルフというスポーツ」にこれらの要素を組み合わせて「ゴルフという文化」をつくった人はすごいなあ、と思えてきます。ほかにも似たようなものはいろいろあります。たとえば私が今、習っている社交ダンスのスクールで、年に1回、ダンスパーティーがあります。ここでは、半日を使ってシティホテルで豪華な食事、競技選手のダンスのお披露目、参加者同士のダンスタイムなどが組み合わさって3万円弱の参加料を払います。ホテルで食事をするだけなら1万円もあれば美味しいものをいただけます。すべてが組み合わさって、優雅で非日常なひとときを味わえるから、3万円以上の価値を感じるのです。
何と何を組み合わせると、1+1が3にも4にもなって、人が喜んでお金を払うようなエンターテイメントに昇華されるのか。そして、さらには新しい文化をいかに創り上げるか。今ある文化は過去に誰かがつくってくれたものばかりです。ならば、未来の文化は今の自分がつくれる可能性があるはず。自分の身近な周りのことで、一度考えてみたいものです。
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