| 怒りのエネルギーはとてつもなく強いものです。このエネルギーを仕返しに使う人もいるし、それをバネにして自分を成長させる人もいます。先日、伊藤守さんのコミュニケーションに関するセミナーで、こんな話を聞きました。相手の言動に対して、こちらの思考がどのように動くかの流れです。
例えば、相手に失礼なことを言われたり、嫌なことをされたとします。その時、私たちは、
| え? → なぜそんなこと言われるの? → 頭にくる! → 仕返しをする |
という順番に発想するようです。そして相手も同様に受け止め、こちらに仕返しをしてきます。すると、仕返しの繰り返しでお互いに傷つけ合うという最悪の状態が出来上がります。
この怒りのスパイラルを、プラスに利用したらどうなるでしょうか?私はこのことを意識する前から、怒りを自分のプラスになるような方向に結び付けていたことに気づきました。
例えば社会人になって初めの頃、「なんでこんなことが分からないんだ!」「ちょっとは頭を使え!」と、毎日のように怒鳴られていました。営業では、お客さんから「今、忙しいから、またにしてくれるか」と軽くあしらわれました。研修の講師をやれば、緊張によるぎこちない進行に、失笑が起こることもありました。
その頃は「ナニクソ!」と一人で怒りを溜め込んでいました。そして、相手に仕返しをすることができなかったため、その怒りは「今に見てろよ!」と自分を成長させる爆発的な原動力になりました。
今思えば、自分を成長させる最大の原動力は「怒り」のような気がします。しかし、大人になるとビジネスシーンで怒りを感じるチャンスが意外に少なくなります。このことに気づいてから、怒りを覚えるときはチャンスと思えるようになりました。
|