| それは正確にいうなら、僕がパクっていたのは洋七さんのネタではなかったからだ。僕がパクっていたのは、ネタではなく洋七さんの"笑いのシステム"だったのだ。そのやり方は、たとえばこうだ。まずB&Bの漫才をテープに録って、それを全部紙に書き出す。それから、その漫才がなぜおもしろいのか、他の漫才とどう違うのかということを分析していく。そうすると、ひとつのパターンが見えてくる。そのパターンに、僕はまったく違うネタを当てはめていったのだ。 |
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(『哲学』 島田紳助 松本人志 著 幻冬舎 p.61より引用
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私は経営コンサルタントという仕事柄、勉強のためにいろんな人のセミナーを受けに行く 機会があります。そこで何を見ているかというと、もちろん話の中身もありますが、そのシステムを見ています。つまり、
「何をどの順番で、どれだけの時間をかけて話しているか?」
「参加者を飽きさせずに惹きつけるために、何をしているか?」
「わかりやすく伝えるための事例は、何個出しているか?」 「一番訴えたいことを、どうやって参加者に印象づけているか?」
「セミナーの満足度を高めるために、資料・室内の飾りや演出・思いがけない特典など、どんな工夫があるか?」
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などに意識を向けながら聞いています。すると、それらが自分の血肉になり、私が講演をする際の知恵となって生きてきます。他のことでも、同じようにシステムを考えるといろんな見方ができます。たとえば、
「この人のノートやメモの取り方には、どんな工夫があるか?」
「本の読み方は?」 「時間管理、スケジュール管理の仕方は?」
「移動時間の使い方は?」 「情報整理の仕方は?」
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など、デキる人の仕事の仕方に興味があるので、自然とそういう見方をしています。
プロとしてお客さまに提供するコンテンツにはオリジナリティが必要ですが、その枠組み・システムは、優れた人のものをどんどん取り入れていくことが、クオリティアップにつながるのではないでしょうか。
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