| "創造とは発散の中により多く出現する"というのが私の経験から得た実感である。良い議論というのは、最初に十分に発散したうえで収束(まとめ)に入っていく議論である。まとめは必要なのだが、初めからまとめることをノルマにしてしまうと、まとめることだけが先行して発散ができなくなってしまう。そこで、思い切って、「まとめはあえて必要ない」という設定にするわけだ。
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(『なぜ会社は変われないのか』
著者:柴田昌治 氏 日本経済新聞社
p。151 より引用 )
私が新入社員だった頃、新しい事業をはじめる時などに会議を行い、アイデア・意見を求めら れました。しかし、なかなか言いたいことが言えず、もどかしい思いをしていました。
今、その理由を振り返ると「こんな低レベルなことを言ってはハズカシイのでは」という葛藤 があったり、その会議の場が自由に気軽にモノを言える雰囲気ではなかったり、といろいろな要
因があげられます。自分の思いつき的な意見について、経験豊富な先輩や上司が理詰めで質問や 反論をしてくると、頭の中が金縛りになりました。一旦萎縮してしまうと、その後いくら「意見
を出そう、考えよう」と努力しても、創造的なアイデアは出てきませんでした。
会議というのは、一般的に「建設的な意見を出すべき」「周囲にわかりやすい、理論的な説明を
すべき」「最後にきちんと結論をまとめるべき」という暗黙のルールがあります。この「~べき」 という制約が、発散の妨げになり、自由で創造的な発想の邪魔になるように思います。
こういう私自身の過去の経験もあって、今、私がクライアント先で従業員をまじえての面談や 会議をさせて頂くときには、「まず聞いて受け入れるスタンス」に徹するようにしています。漠然
と聞くだけでは、聞かれた方も困ってしまうので、ヒントになる視点を挙げながら聞きます。た とえば、「売上アップのためにどうしたいか?」と聞くのではなく、より具体的に「衝動買いをし
てもらうために、何ができるか?」という具合です。そして意見を出して頂いた後は、その内容 の良し悪しに関わらず一旦受け入れます。内容の検証(質の追求)は後で行えば良いので、「他に
も良いアイデアはないか」と、まずは量を最大限に求めます。
会議での話し合いよりも、お酒を交えたワイガヤでの雑談の方が、面白くて創造的なアイデア が出てくることがあります。これは、制約なしに、断片的な意見や思いつき的な意見を気軽に"発
散"できるからだと思います。たとえ断片的な意見でも他の人がそれを引き継いで話を膨らませ てくれます。そうこうしているうちに、魅力的なアイデアが生まれたりします。
本当は、お酒を交えなくても、発散できる雰囲気づくりができると良いのですが・・・。
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