昨年から自宅の裏庭にミニ畑をつくり、秋から冬は大根、ニンジン、春菊、小松菜、春から夏はナス、枝豆、スナップエンドウ、シソなどをつくってみました。先日ある人がこんなことを言っていました。 「自宅で野菜をつくるなんて、絶対にコストに合わない。スーパーで買えば、キュウリは1本25円、大根は1本100円で買えるんだ。こんなに安く野菜をつくるなんて、素人にできる芸当じゃないよ」
たしかに、家庭菜園をするには、土(培養土)や肥料、種などを買わなければいけません。それだけで和仁家では年間1万円以上掛かりました。今、1万円分の野菜をスーパーで買おうと思ったら、3人家族にとっては相当な量になるでしょう。 しかもはじめての場合、クワや手袋、バケツ、スコップなどの初期費用も必要になります。その上、種まきから収穫までに投入する肉体労働時間まで考えると、たしかに家庭菜園で野菜をつくるのは「割に合わない」という結論になりそうです。
しかし、本当にそうなんでしょうか?これを、「仕事」ととらえると、たしかにモノ余りの現代であれば、スーパーで買ったほうが早くて安くてラクに違いない。しかし、わたしはこれを「仕事」ではなく、「レジャー」ととらえているので、まったく違う考えを持っています。レジャーとは、映画やショッピング、旅行、スポーツジムでのトレーニングなどと同列扱いの「時間消費活動」です。家庭菜園で1年間に使ったコスト1万円は、休日に遊園地に遊びにいけば1日で使ってしまう金額。1年通して考えれば、家庭菜園をしている間、土づくりや種まきなど菜園のケアに時間を消費して楽しんでいる日数分、お金は手元に残ります。それだけですでに収支トントン以上です。しかも、自分たちで育てて収穫した野菜は愛着がわき、腐らせたくありません。その結果、和仁家では外食を避けて、自宅で食事をとる割合が増えました。したがって、お金は手元に残ります。その「外食予算が減った差額分」は、黒字です。その上、自分たちで手をかけて育てた野菜をつかった料理は、理屈抜きに美味しく感じます。娘も喜んでニンジンを生で食べていました。つまり、仕事としてとらえたら赤字になることが、レジャーとしてとらえたらずいぶん黒字になることだってあるわけです。
損得勘定は常識にとらわれず、マクロ発想でしたいものだと思いました。 |