Vol.103-2

平成19年11月号
 

『“ありがとう”という言葉の力。』

徳を積むことを僕は「貯徳する」と言っているんだけども、いちばん簡単な方法は、「ありがとう」を唱えることなの。“ありがとう百万遍はみんなができる貯徳なり”ありがとうという言葉は喜びを生む徳。だから、「ありがとう」を唱えることで、徳はいくらでも貯められるの。ひとつのありがとうからひとつの徳が貯められるわけ。ありがとうを唱えることなら、今すぐにでも始められるでしょう?

(『いま伝えたい生きることの真実』 竹田和平 著 生活文化出版 P.69より引用)

先日、仲間の渥美公敬さんが面白い話をしてくれました。なんでも、「昨年独立して以来、【ありがとう】を1日1000回言い続けたところ、あまりにも良いことが起こるので、止めるに止められなくなった」とのこと。身近な彼の急成長ぶりを見ていて、一理あると感じたわたしは、それ以来その習慣を続けていました。それから数週間すると、日本の上場企業100社以上に投資する大株主の竹田和平さんとお会いする機会があり、彼は「1日3000回(=1年で百万回)ありがとうを唱えるといいよ」とおっしゃいました。鎌倉時代に親鸞が「南無阿弥陀仏」と報謝(=感謝)の念仏を唱えることを説いていたそうで、それを今風に言えば「ありがとう」ということだと竹田和平さんなりに解釈して始められたそうです。

「1日1000回のありがとう」って、一体どれだけ時間がかかると思いますか?
実際にやってみると、早口なら1分間で100回ぐらい言えます。よって10分間で1000回言えるので、さほど難しいことではありません。3000回ならその3倍。わたしは歩きながらやっていますが、途中で息が切れてくるので、午前中と午後に分けて無理なくやっています。ちなみに数え方をちゃんと決めておかないと、途中で「今、何回だっけ?」とわからなくなるので、どう指折り数えていくかのパターンも決めておいたほうがいいでしょう。

「それをやって、何が変わるのか?」というと、まず「ありがとう」と唱えている間、完全に無心になれます。ボ〜っとしているときは大抵はロクなことを考えていないので、それだったら心を「ありがとう」で満たしておいたほうが、心の健康には圧倒的によさそうです。それから「ありがとう」が前提なので、口に出して言っている間に、「何に対してありがたい?」と自然と自問したりします。すると、ふだんは当たり前になっているような、「家族が皆、健康で笑顔で暮らしている」ことも「ありがたい」と感じることもあります。さらに、水は「ありがとう」という言葉がわかるようで、水の入ったビンに「ありがとう」と書いたシールを貼っておくと、水の結晶が奇麗になるという写真も見たことがあります。だとしたら、人間のからだの約70%は水でできているのだから、からだにもきっと良いでしょう。
やって損がなく、得を感じることなら、習慣にする価値があると思いました。